【珍書:其の11 『SHIMADAS シマダス』】

2005-01-12

 古代、日本は「大八島国」と呼ばれたように、本州を中心とした島国であります。

私は極度の方向音痴な上、地図も読めませんが、地図帳を見るのは昔から大好きでした。
特に好きだったのが、「飛び地」「僻地」、…そして、何よりも「離島」。
学校の授業中、先生の話を右から左にスルーさせながら、
申し訳程度にしか描かれていない、芥子粒のような離島に思いを馳せていました。
近畿の各県を覚える前に、父島諸島の名前を覚え、
副読本に掲載されていた沖ノ鳥島のコンクリートで固められた姿に、激しい憐憫の情を抱…(以下略)
→沖ノ鳥島の地図
…と熱く語ってみても、私は離島らしい離島へは行ったことのない、ヘナチョコ野郎なのですが。
(沖縄の観光地、宮古島くらい)

そんな「地図だけトレジャー」な私にぴったりな本が、このたび出版(正確には増刷)されました。

『SHIMADAS シマダス』(財団法人 日本離島センター出版)
名前の通り、日本の離島のことが、その島々ごとに事細かく、…ある意味、細かすぎるほど書かれてあります。

たとえば、
「詩島(うたじま)」
大村湾の南西部にある小島。「聖教寺院の跡から起これるもの、沿岸陸地に古寺口なる字地あり」と伝えられ、永く「寺島」と呼ばれていた。現在は、長崎県出身の歌手・さだまさしさんが別荘地として所有し、学問の神として有名な太宰府天満宮菅原道真公が勧請されている。島名は、さださんの申請によって、平成7年4月から正式に「詩島」に変更された。ふだんは50歳代の管理人ご夫妻が島を守っている。
(地図・写真などが掲載され、)
所在地:長崎県西彼杵群琴海町
面積:0.01平方キロ 周囲:0.5km
標高:16m 世帯数:1世帯 人口:2人
来島者:350人
みどころ:詩島天満宮
島じまん:みやげ(天満宮のお守り) 郷土料理(大村湾の海の幸・島の管理人さんの料理は絶品) やど(5人用のバンガローが3棟ある。送迎と1泊4食付きで15000円。一般の人も宿泊できる) みせ(なし) 動植物(ラブラドールレトリバー2匹・そのほかにもいろいろな動植物を見かける。タヌキまでいるとか。・ツツジクロマツ) …の舞台(映画「関白宣言」) あそび(プライベートビーチで水遊び。釣りもできる。とにかく島ではのんびりすること。付近の子供達にも、若干の入場料をもらって島を開放することもある。)
くらし:生活(電気・水道は対岸から自前でひいた。排水浄化設備もばっkちり。買い出しや空港などへの送迎は自家用モーターボートを使う。) まつり・いいつたえ(毎年8月11日は詩島天満宮遷座祭。太宰府天満宮から神主さんもやってきて、巫女さんの飛梅の舞などが奉納される)
ひと:著名人(さだまさし・島の主。昭和54年、「自分の島を持ちたい」という永年の夢を叶えた。残念ながら島に滞在できるのは年に数日)

こんな風に、「どっから集めたんだ?」というような情報満載で、島を紹介してくれているわけです。

あと面白かったのが、南鳥島(日本最東端の島)。
アマチュア無線の世界では、国ではなく「エンティティ」という独自の区分で世界を区切っているそうで、その区分によると、日本は、「本土(JA)」、「小笠原諸島(JD1)」、「南鳥島(JD1)」の3つのエンティティに分かれるそうです。そんでもって、南鳥島は、日本で唯一オセアニア地域のエンティティらしいです。
ちなみに、南鳥島には、気象庁職員・海上保安庁職員・海上自衛隊員(全員男)しかいないんですが、アマチュア無線クラブ「マーカスロラン・ハムクラブ」が開設されており、本土のハム愛好者にとって人気局らしいです。
(ただし、アマチュア無線のできる人が南鳥島に駐在している時だけ)
ウィキペディアの情報によると、バスが無い島なのにバス停があったり、公衆電話があったりするそうです。謎。

思いは南の島、青い海へ飛んでいますが、
気づくと、いつもと変わらぬ真冬の丑三つ時でした。
さて…大人しく寝るか……。

<12v電源、個人的な島リンク集>
しましまネット
 (財)日本離島センターの運営する離島情報サイト
離島航路
 離島愛好家の個人HP。文章が上手いので、「島旅記録」が物語のように読める。
 北海道厚岸群小島のことを探していたら、たどり着きました。
沖ノ鳥島的FANクラブ
 沖ノ鳥島の情報を、恐ろしいほど収集しているサイト。
 こういうサイトを見ると、ネットの素晴らしさを思い知る。
(株)高木組 建設に関わる話「沖ノ鳥島」
 沖ノ鳥島保全工事(コンクリート詰め)の詳細が載っています。面白い。
南鳥島(マーカス)
 南鳥島を紹介している個人サイト。美しい写真がたくさん掲載されています。
日本最南東端"南鳥島"
 個人サイト。管理人は、仕事で南鳥島へ行かれた方で、ハム愛好者。
小笠原チャンネル
 小笠原諸島の情報。バイト募集なんかが掲載されている。
喜界島
 平安後期の僧・俊寛が流された「鬼界ケ島」のことではないかと言われる島。
 島にはちゃんと俊寛の像もある。