【珍の探求:其の1 『タウマタファカタンギハンガコアウアウオタマテアポカイフェヌアキタナタフ』】

2005-01-05

Taumatawhakatangihangakoauauotamateapokaiwhenuakitanatahu
これはギネスブックに載っている、世界最長の地名マオリ語)だそうです。
wikiによると、この、通称「タウマタ」は、ニュージーランドにある小さな丘らしい。
参考→ウィキペディア(「タウマタ」の項)
ググってみても、ほとんどwikiがソースになっている解説しか出てこない。
……ということで、調べてみました。
(【珍の探求】の名称は、単に私が興味を持って調べたことの備忘録だと思ってください。)

個人サイトに、「タウマタファカ(以下略)」に立っている看板の写真を掲載しているところがありました。
サイト<http://www.geocities.co.jp/SilkRoad-Oasis/3529/nz_life/travel/h_bay.html
この看板によると、「タウマタ」の意味は、
<The place where Tamatea, the man with the big knees, who slid, climbed and swallowed mountains, known as 'Landeater,' played his flute to his loved one.>
このサイト様の訳を拝借させて頂くと、
「タマテアという名の、膝の大きな男がいて、山を滑ったり登ったり飲み込んだりしていたので、山食い男として知られていたが、そのタマテアが愛する人のためにフルートを演奏したところ」となります。

タマテアって誰やねん? ということで、他を当たってみたところ…
「Tamateaの兄弟が戦争でほとんど死んでしまった時、彼はこの丘に登り、フルートを吹いた…」
という伝説が、どうやら存在するらしいことが判明。
上にある「愛する人」は弟の事らしい。

で、「Tamatea」でググってみると、結構出てきました。
「Names from Myths, Legends, Waka, etc」には、
<Tamatea: captain of the Takitimu waka>
Tamatea:Takitimu waka のキャプテン、とある。
「Takitimu」は、同サイトに
<Takitimu: waka whose captain was Tamatea. It landed at the Waiau River, bringing the Rongowhakata, Ngati Kahungunu, and Ngai Tahu. >
Takitimu:タマテアがキャプテンだった waka 。Rongowhakata 、 Ngati Kahungunu 、 Ngai Tahu をもたらして、ワイアウ川に上陸した。
「waka(ワカ)」は、マオリ族の戦闘用カヌーで、150人程度を収容できたらしい。

やはり、タマテアは巨人神や精霊のような「神話」ではなく、実在性の高い「伝承」の類であるようです。
海の戦闘民族ということで、北欧のバイキングと似てますね。…まぁ、そこらへんの比較検討は誰かに任せるとして。(またかよ)

タマテア伝承を、箇条書きにまとめると、
・タマテア(Tamatea Pokai Whenui )は「pounamu(※1)」を探すため、戦闘カヌー『Takitimu』でWairarapa(北島)から旅立った。(1350 年にマオリ族が大移動したらしく、タマテア達もその中のひとつだった)
・Murihiku(東海岸)に着いた時、大きな嵐に遭い、多くの人が溺れてカヌーが破壊された。タマテアと生存者は、死者を悼んだ後、陸路を使って帰還しようとした。
・あまりの寒さに凍死しかけた一行を救うため、タマテアは、北の火山の大酋長 Arikiを呼び 、炎を南へ送ってもらった。その破片の落下した箇所が温泉となった。火は「タマテアの火」と呼ばれ、現在の「Hanmer Springs」である。研究家は、この伝承を、マオリ族が温泉の在処を知っていた証拠だとしている。
・Porangahauへ帰る旅の途中、タマテア一行はNgati-Hine族と遭遇し、戦った。その戦いは「Matanuiの戦い」と呼ばれる。この戦いで、彼の弟は殺されてしまった。タマテアは悲しみ、丘に座ってKoauau(マオリ族のフルート)を吹いた。
 「タウマタファカ(以下略)」の伝承はここから来た訳ですね。
・後世、マオリ人の重要な道となるWhanganui から Taumarunuiへのルートを開拓したのが、タマテアである。
・タマテアは、息子のKanungunuと共に東海岸から北島への道を開いた。タマテアが通った跡には、彼がバスケットで運んだ動物の名前がつけられている。
・タマテアの息子Kahungunuは、Ngati Kahungunu種族(後にギズボーン族へ発展)のはじまりである。

※1)pounamu…ポウナム。ひすいの一種ネフライトマオリ族にとって神聖な石。参考サイト

誰のためになるか、全く不明なweblogになって参りました。
とりあえず、現時点で、日本で一番「タウマタ(以下略)」に詳しいかもしれないサイトということで。(地理情報は全く無いくせに)
ああ、ニュージーランドとか行ってみたいなあ。

<参考サイト>
http://www.hawkesbaynz.com/sights_and_activities/art_culture_and_heritage/maori_legends/
http://www.ngaitahu.iwi.nz/ngatiwheke/main.html
http://www.uniquelynz.com/maori_extracts.htm
http://www.scoop.co.nz/mason/archive/scoop/stories/07/fc/200405311622.cf2e68b1.html
http://www.nzhotsprings.com/hanmer-springs/hanmer-springs-history/